第502回 家電がこわい

昨日、いつものようにテレビで朝のドラマを見ていたら、途中で突然、電源が落ちたようになりました。つまり、“ブラックアウト”です。初めはのん気に「あれ?供給側の不具合かな?」と思っていたのですが、待てど暮らせど音声も画像もあらわれません。

しょうがないな、と、電源を入れなおしたらなんとか復旧(?)したのですが、このときふと、ある人の言っていたことが思い出されて、ハッとしたのでした。「テレビって、突然見られなくなる日がくるんだよ。でも、“予兆”がないわけではないんだ。映っているとき急に消えたりしだしたら、そろそろ…って、覚悟した方がいいかもしれないね」

とすると、これはまさに、その“予兆”ではありませんか。

そう気づいて、ちょっとブルーな気分になったとき、また別の人の言っていたこんなことも思い出してしまいました。「電化製品って、ひとつ壊れると、他のものも次々にイカれてくるんだよね」ちょ、ちょっと待って~!テレビだけでも大痛手なのに、他のものにまでそれが及んだ日には…。

今使っているテレビは液晶でもプラズマでもなく、ブラウン管のもので、買ったのは12年以上前です。このマンションに引っ越してから、先月でちょうど10年経ったところなのですが、考えてみたらほとんどの家電はここへ引っ越す前からか、あるいは引越しを機に買い換えてたものばかりです。冷蔵庫も、各部屋にあるエアコンも、洗濯機に掃除機も、ミニコンポも、そしてこのパソコンも、です。

今時の電化製品の寿命は10年、と言われているので、これらがほとんど同時に“天寿を全う”しようものなら、この美奈子家(なんだか頼りない響きだけど、この家の筆頭者は私なのでこう呼んでみました)は、間違いなく財政危機に陥る事態になってしまうではありませんか。

家電貧乏なんて、いやだよ~と思っていたら、なんと愛器ベーゼンドルファーの弦が、また切れてしまいました。痛い二次災害です。さては、持ち主の不安(?)が楽器に伝わってしまったのか?ううむ、いけないいけない、こんなことでは、さらなる被害をもたらしかねません。なんとか、対策を打たねば。まずは、気分を立て直さねば…。

「iPhone(アイフォン)って、便利よ。なんっていうか…生活が変わっちゃう感じ!」そんな時、ある友人が最近入手したというその愛機を、片手でカッコよく振ってみせました。なんでも、その“振る”という動作自体にも、驚くような機能があるのだそうです。撮影する写真のクオリティは下手なデジカメ以上だし、画像の編集や加工もパソコンよりも簡単。彼女によると、パソコンでできるようなことならほとんどカバーできるのだというのです。

とはいえ、そんなに小さなデバイスでこういう原稿書きをするのかと思うと…。いくらまだ老眼は入っていないとはいえ、やはり無理があるような気がしていました。ところが!

「ぼくは、手紙や原稿は(携帯やパソコンを使わずに)、必ずまず紙に書くんです。紙のほうがよくかけるような気がするんですよ。で、紙に下書きしてそれを添削して、推敲して、そのあと携帯なりパソコンで“清書”する…」エッセイも出版しているある芸能人が、トーク番組で話していました。なるほど、と思いました。それならなんとかなりそうですし、鉛筆を使って“自分で”文字を書く機会が増えて、むしろいいかもしれない…。

何を考えているのかって?もちろん、うちの家電たちがいっせいに壊れてしまったときの対策について、です。

もう10年以上作り続けている自家製のヨーグルトは毎朝欠かさないし、独り暮らしなので、まあ冷蔵庫は仕方ありません。でも、エアコンは、生徒さんに迷惑がかからないよう、とりあえずレッスン室のものだけは買い換えましょう。一方、洗濯機はしばらくの間、ハンガリー留学時代を思い出しながら楽しく“手洗い”です。さすれば、日々の練習の末、手洗いの名人になれるかもしれません。手で“脱水”しているうちに、いい感じに腕力もついたりして!洗濯機が置いてあったスペースを素敵にプチ・リフォームするのも、ちょっと楽しそう…。掃除も、掃除機に頼らずドイツ式に“雑きんで水ぶき”で対処しましょう。案外、いい運動になって、美容と健康にいいかもしれません。電気代だって随分浮くはずです。

おっ?いいぞいいぞ。大分ポジティブになってきました。

さて、残るはミニコンポとパソコンです。仮にパソコンの代わりにiPhoneのようなデバイスを手に入れたとしたら、聴きたいCDをすべてに取り込むことなんてお茶の子さいさい。つまり、ミニコンポはいらなくなります。小さい画面ではありますがテレビもiPhoneで見られるし、パソコンもなんとかそれで代用するからいらなくなる…とすると、私は大きな画面を失ういっぽう、大きな空間を得る、ということになります。ちなみに、小さなものではありますが、今まで使っていた携帯電話も必要なくなります。

あら?案外、身軽になって、悪くないかも!…それより、危機対策を考えていたはずが、なんでこんなにA社の製品を宣伝(?)しているの?

2010年12月10日

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